2016-06-14

最古の聖都アヌラーダプラ(前編)

紀元前より栄えた王朝都市

アヌラーダプラは、今からおよそ2400年前にスリランカの都が置かれた場所です。
紀元前3世紀にインドより仏教がもたらされたことがきっかけに、多くの仏教寺院がこの地に建立されました。今なお当時の遺跡が残るアヌラーダプラの見所をご紹介致します。

アヌラーダプラのシンボル。ルワンウェリ・サーヤ大塔。


聖なるスリー・マハー菩提樹

インドの東部にある聖地ブッダガヤには、釈迦がその木陰で悟りを啓いたとされる菩提樹の木が残されています。
インドからスリランカに仏教が伝わった際、この菩提樹の分け木も一緒に伝わりました。
その菩提樹は、今ではすくすくと成長してスリー・マハー菩提樹(シンハラ語でスリー=「聖なる」マハー=「偉大なる」意味します)として巡礼者に崇拝されています。この地を聖地として強く位置付ける存在です。

豊かに生い茂るスリー・マハー菩提樹。
寺院の入口から伸びた枝が迎え入れてくれる様です。樹齢は2000年を超えています。
輪廻転生を表すムーンストーン

スリランカの遺跡にはムーンストーンが多く見られます。
ムーンストーンとは寺院や仏塔の入口に敷かれている半月型のレリーフのことです。
参拝者は裸足でムーンストーンの上を歩き、足を清めます。
スリランカ発祥の美術作品ですが、インドの仏教寺院でも見られます。
その中でもアヌーラダプラにある王妃の建物跡、クイーンズ・パビリオンのムーンストーンは最も美しい事で有名です。
ムーンストーンには輪廻転生が4種類の動物で表現されています。
4種類の動物とは象、馬、ライオン、牛。それぞれ生病老死を表しています。
内側には花をくわえたアヒルがいます。汚い池でも清らかな姿で生きていることから「純潔」を表しています。ここで人は命を持つことの意味を知ります。
そして最後に天国を意味している中心の蓮の花にたどり着くことが表されています。


シンハラ語ではサンダカダパーナ。形が半月型のため英語のムーンストーンと呼ばれています。

スリランカで最も美しいガードストーン

寺院の入口に門番のように立っているガードストーン。
悪魔の侵入を防ぐ役割をしていました。
両サイドに置かれていて、日本の寺院の山門のある阿吽像の様です。
ガードストーンはムーンストーンと同様にスリランカの遺跡では多く見られます。
かつて石の宮殿があったとされている跡地、ラトゥナ・プラサーダの入口にあるガードストーンはスリランカ随一の傑作品と言われています。
王の姿が立体的に彫られており、右手に吉祥を意味する壺、左手には繁栄を意味する花を持っています。背後はコブラに覆われています。

足元にいるのは富の神クベラの使い。

かつての僧侶たちの沐浴場 

修行していた僧侶たちの沐浴場となっていたのがクッタム・ポクナというところです。
今は緑色に濁った水が張られたままですが、当時は近くの池からパイプで水を引いていたそうです。また、沐浴後は水田にその水を流していたそうです。

かなりの広さから、多くの僧侶が居た事がうかがえます。

 後編ではアヌラーダプラに伝わる王子と娘の許されないラブストーリーにまつわる遺跡をご紹介致します。

Text by Ayana Alles